170727

少し長くなるのだけど、ついこの前、長野に住む知人の家に泊まりに行った。一時間に一本しかない電車に乗り、女子学生の群れを眺めていると、同じ車両に乗っている、と連絡が入る。探すとすぐ近くに彼はいた。二人でホームを降りて、田んぼ道を歩き、話しながら家に向かう。途中で近所の人と会って、会費の連絡がどうこうのという話をしているのを見て、ああ、彼は本当にここに住んでいるのだな、と感じた。そうしているうちに、田舎に不釣り合いな集合住宅まで辿り着き、さらに階段を五階まで登り、やっと知人宅に着いた。入ってすぐに、プラスチックの飼育カゴが机の上にあるのを見つけた。中を覗くと、尻から黄色い卵を出す、今にも息が途絶えそうな白い蚕がいた。後尾をして産卵を終えると、雄も雌も死んでしまうんだ、冷蔵庫を見ながら知人が言う。そして何もなかったのか、食べに行くことしよう、と言った。

 

知人の車で暗い道を進み、ラーメン屋にたどり着く。注文をし、届いたラーメンを食べながら話し、また家に帰ってきて酒を呑んだ。知人は色々な種類の酒が作るのが上手だ。最初に費用がかかるけど、一度揃えてしまえば、ビールよりコスパがいいし楽しいんだ、と彼は言う。何杯か呑み、体がベタベタしていたので、風呂を借りていいか申し出て、シャワーを浴びた。小さなバスタブの湯に浸かったら眠くなってしまったので、そのまま部屋を借りて寝させてもらった。パジャマを持っていなかったので借り、布団に身を沈めているうち、眠りについた。

 

朝起きると蝉が合唱していた、それをしばらく微睡みながら聞いていた。知人も起きてきて、途中の街で買ってきた食パンを二人で食べた。コーヒーを入れながら、私が話すことに対して、「助けてもらえる人間が許せないのではなく、単純にずるいと思っているんだよ」と彼が言った。ああ、そうなのかもしれない、そんな気がする。帰りの高速バスが来るまでには、まだ時間があったので、家を出て、近くのスーパーのイートインスペースで話しながら待つことにした。喉が乾いた、と彼は言い、自販機でマンゴージュースのホットを買って飲む。(はたして美味しかったのだろうか?)飲みながら、彼は主に現在の自分の人生が概ね幸せであることについて語り、私は最近していた恋の話をした。彼の最近のことについて尋ねると、今恋人が3人いると言った。彼には奥さんもいるし、沢山の恋人がいる。それは彼と彼の妻、すべての恋人が望んでいる関係だ。最後にハグをして、高速バスに乗った。バスの窓からしばらく夏の雲を見ていた。気づくと、全身からほとんどの力が抜け落ちていた。